建設業を営む中小企業経営者の皆さまへ――
令和8年1月、国土交通省が改訂した 「建設業法令遵守ガイドライン(第12版)」 が公表されました。これは現場・取引・労務管理の適正化を図るうえで 必ず押さえておくべき実務基準 です。
なぜ今改定されたのか?
建設業界は人手不足・高齢化・若年労働者の確保難といった構造的課題に直面しています。
こうした中で、インフラ整備を支える担い手確保・生産性向上・処遇改善 が急務となっており、ガイドラインの改定はこうした課題への対応策のひとつです。
建設業法令遵守ガイドラインとは?
建設業法に基づく取引・労務管理・下請関係取引の適正化を推進する実務基準 で、
国土交通省が平成19年に初策定して以来、取引現場の実態や制度改正に合わせて随時更新 されています。
今回の改訂は、以下のポイントを押さえています。
経営者が知るべき改訂ポイント
① 若年入職者・現場労働者の処遇改善を明確化
若年層や中高年・技能者の処遇改善が引き続き経営課題。
賃金・待遇・将来キャリアの提示を含めた労務管理の整備が推奨されています。
② 社会保険加入や安全教育の徹底
建設現場での労災防止・社会保険加入確認は経営リスクを下げる重要な要素。
法令遵守だけでなく「安心して働ける職場づくり」が義務付けられつつあります。
③ 元請・下請間の適正取引のルール強化
発注側から受注側へ価格や条件の一方向的な押し付けを避けるため、
適正な労務費の積算・提示・交渉の仕組みづくり が引き続き重点化されています。
なぜ中小企業に関係あるのか?
建設業の多くは中小企業であり、
- 人手不足と労務費の増加
- 技能者確保の競争
- 下請取引での価格交渉
こうした現実的な悩みが経営の中心です。
ガイドラインの内容は 単なる法令遵守対応ではなく、中小企業が健全な取引と安定した経営を実現するための実務ルール です。
経営改善につなげる3つの対応策
① 処遇改善の見える化
賃金体系・評価制度・キャリアパスを社内外に明示し、若手や技能者の定着率を上げる仕組みづくり。
② 労務管理のデジタル化・効率化
労働時間・安全教育・社会保険加入状況をデータで管理し、現場対応の正確性と透明性を確保。
③ 下請取引ルールの社内整備
積算根拠・見積根拠・価格交渉ルールを文書化し、トラブル予防と信頼関係の強化につなげる。
まとめ:今すぐ見直すべき理由
令和8年1月改訂のガイドラインは、
労務管理・取引の透明性・働き手確保 といった建設業の最重要課題に直接影響する内容です。
単なる法令遵守に留めるのではなく、
経営改善の手段として活用する ことで、
現場の安全性向上・採用競争力強化・持続的な事業成長につなげましょう。
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建設業法令遵守ガイドラインは守らないと罰則がありますか?
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直接の罰則はありませんが、行政指導や監督時の判断基準になります。実務上は「守る前提」の重要な指針です。
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中小・小規模の建設業者にも関係ありますか?
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はい。むしろ中小企業ほど影響が大きい内容です。人手不足対策や下請取引の適正化に直結します。
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今回の改訂で経営者が特に注意すべき点は?
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処遇改善、社会保険加入、下請との適正取引の3点です。労務管理と取引ルールの見直しが求められます。
詳細はこちら
<建設業法令遵守ガイドライン(令和8年1月改訂:第12版)>
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001976334.pdf
・新旧対照表:
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001976335.pdf
なお、次のガイドラインも更新されていますので、紹介しておきます。
<発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン(令和8年1月改訂:第8版)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001976336.pdf
・新旧対照表:
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001976337.pdf
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