2026年に入り、厚生労働省が最低賃金の決め方そのものの見直しに着手しました。
今回のテーマは
➡「地域別最低賃金の目安制度の見直し」
一見すると専門的な話ですが、実は中小企業の人件費戦略に直撃する重要テーマです。
■ そもそも「目安制度」とは?
最低賃金は、いきなり各都道府県で決まるわけではありません。
まず中央で
➡「引上げの目安額(例:+〇円)」
が提示され、それをもとに各地域で最終決定されます。
これが「目安制度」です。
■ なぜ今、見直しが行われるのか?
背景には、近年の最低賃金の決まり方への問題提起があります。
▶ 問題①:地域間の“競争”が過熱
- 近隣県との比較
- 最低水準からの脱却競争
➡結果として
目安を大幅に上回る引上げが発生
▶ 問題②:発効日のバラつき
- 10月〜翌年3月までバラバラ
- 実務上の混乱が発生
➡令和7年度は、発効日のバラつきが大きくこの点が異例でした。
発効日に大きなバラつきが生じたことについてどのように考えるかが問題となっています。
▶ 問題③:ランク制度の妥当性
地域区分(A・B・Cなど)の考え方自体も
➡見直し議論の対象に
■ 「今後の3つの経営インパクト」
今回の見直しは、単なる制度論ではありません。
中小企業にとっては
① 最低賃金の“上がり方”が変わる可能性
これまでのような
- 「横並び競争」「想定以上の急上昇」
が抑制される可能性があります。
但し、日本の最低賃金目標は、2020年代中に全国平均1,500円に引き上げることを目指しており、
国主導で安定的に引き上げられる可能性も十分に考えられます。
② 人件費の“予測可能性”が重要に
今後は
✔ どのくらい上がるか
✔ いつから適用か
が制度的に整理される可能性あり
➡つまり
賃金戦略を“事前設計”する時代へ
③ 「最低賃金+α」の設計が勝負になる
最低賃金が上がるほど
- 初任給との差が縮小
- ベテランとの逆転現象
が起こります。
➡結果
人事制度がない会社ほど崩壊リスクが高い。
■ よくある失敗(実務で多いケース)
実務で多いのは
- 最低賃金対応だけで精一杯
- 賃金テーブルが未整備または賃金テーブルが時代に合っていない
- 毎年“場当たり的に賃上げ”
➡これでは
利益が出ても人件費で消える構造になります
■ 今すぐやるべき3つの対策
✔ ① 最低賃金依存からの脱却
→ 自社の賃金基準を持つ
✔ ② 人事評価制度の簡易導入
→ 昇給に“理由”をつける
✔ ③ 人件費シミュレーションの実施
→ 3年先までのコストを見える化
■ 経営者へのメッセージ
最低賃金は
➡「外から強制されるコスト」
ですが、
人件費は本来
➡「利益を生む投資」
です。
今回の制度見直しは、単なるルール変更ではなく
“賃金経営に本気で向き合うか”を問われるタイミングです。
■ まとめ
今回のポイントは3つ
✔ 最低賃金の決まり方が変わる可能性
✔ 人件費の予測と設計がより重要に
✔ 人事制度の有無が経営差になる
詳細はこちら
<第72回 中央最低賃金審議会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70849.html
<第1回 目安制度の在り方に関する全員協議会/資料>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_70886.html
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