厚生労働省は、
被扶養者の認定における年間収入の判定方法の見直し(Q&A第2版)を公表しました。

今回の改正はシンプルに見えて、実務への影響は非常に大きいです。

「実績」から「労働契約」へ判定基準が変更

これは、パート・アルバイトを多く抱える中小企業にとって
見逃せない制度変更です。


■ 改正のポイント(ここだけ押さえればOK)

これまでの扶養判定は、

➡ 過去の収入・実績ベースで判断

でしたが、令和8年4月からは

労働契約で定めた賃金から年間収入を見込み判定

へ変更されます。


■ 何が変わるのか?現場目線で解説

① シフト次第 → 契約内容で決まる時代へ

これまで:

  • 「たまたま収入が超えた/超えない」で判断

これから:

  • 契約時点で扶養可否がほぼ決まる

② 曖昧な契約はNGになる

例えば:

  • 「シフト制(詳細未定)」
  • 「繁忙期に応じて変動」

この場合は

➡ 従来どおり別資料(給与明細等)で判断

➡ つまり
曖昧な契約=会社側の管理負担増


③ 人材戦略に直結する制度へ

特にパート層では

  • 扶養内で働きたい
  • 社会保険は入りたくない

というニーズが強いため、

契約設計=採用力そのもの


■ 社労士視点:中小企業に起きる3つの影響

① 採用時の説明責任が増加

  • 「扶養内で働けるか?」の質問増加
  • 誤案内=トラブル化

➡ 採用面接で差がつく


② シフト管理から契約管理へ

  • シフトで調整 → 限界
  • 契約でコントロールが必要

労務管理の発想転換が必要


③ 社会保険加入トラブルの増加

  • 扶養外れの認識ズレ
  • 本人・家族からのクレーム

➡ 放置すると信頼低下


■ 今すぐやるべき実務対応3選

① 雇用契約書の見直し(最優先)

  • 労働時間・賃金の明確化
  • 年収見込みの把握

➡ 曖昧な契約はリスク


② 扶養ライン別の働き方設計

  • 103万・106万・130万の整理
  • 複数パターンの提示

➡ 「選べる働き方」が採用力になる


③ 社員への説明体制整備

  • 扶養判定の仕組み共有
  • 定期的な収入確認

➡ トラブルは“説明不足”から起きる


■ 今後のトレンド:扶養制度は“管理強化”へ

今回の改正から読み取れる流れは明確です。

✔ 曖昧な運用の排除
✔ 契約ベースの管理強化
✔ 企業責任の明確化

➡ 今後は
「なんとなく扶養内」は通用しない時代


■ まとめ:この改正で差がつく企業とは?

経営者としての判断ポイントはシンプルです。

➡ 契約を整備する会社
➡ そのまま放置する会社

この差が

  • 採用力
  • 定着率
  • 労務トラブル

すべてに影響します。


■ 社労士からの提案

もし、

  • パート社員が多い
  • 扶養の相談が増えている
  • 社会保険の判断が曖昧

このような場合は

「扶養×労務管理」の設計見直しが必須です

詳細はこちら

<労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&A(第2版)について(令和8年3月9日事務連絡)>
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260310S0010.pdf

ドリームパーソル社労士事務所
代表 野田 千秋

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