中小企業の経営者・労務担当者の皆さまへ――
最近の労働環境改革議論の中でよく耳にする言葉に、「働きたい人を増やす」「労働時間規制を緩和する」といったものがあります。
しかし、2026年1月14日に全労連が公表した独自の緊急アンケートでは、「働きたい」「労働時間を増やしたい」という労働者はわずか11% であるという結果が出ています


調査背景:なぜこのテーマが注目されたのか?

日本政府・経済界の中には、労働市場の需給改善策として「労働時間規制の弾力化」や「働く意欲のある人の労働参加促進」を進める動きがあります。
しかし、実際にどれだけの労働者が長時間労働や労働時間増加を望んでいるのかを確認する必要が今回のアンケート実施の背景です


調査結果の要点

今回のアンケート(回答数1,267人)で明らかになったポイントは以下の通りです:

✔ 「働きたい」「労働時間を増やしたい」と答えた労働者は 11%
✔ 多くの回答者は「収入が今のままでは生活が苦しいから」と回答
➡ 労働時間を増やしたい本音の背景には、単純な労働意欲だけでなく 生活費の不足感が強い という事情がありそうです


なぜこの結果が経営者に関係するのか?

この調査結果は、働き方改革や労働時間の見直しを議論するうえで、単純に「労働者はもっと働きたい」とする前提が必ずしも正確ではないことを示唆しています。
経営者・労務担当者の観点では、

✔ 長時間労働是正
✔ ワークライフバランスの推進
✔ 残業抑制と業務効率化
✔ 人材の定着・採用戦略

といった労務管理施策の方向性を検討する際に、働きたい理由とその背景 を理解しておくことが重要です。


経営者が考えるべきポイント

■ 労働時間と生活設計

単に「労働時間を増やせば解決」という発想ではなく、収入と生活設計の両面から労働者のニーズを捉えることが求められます。

■ 働き方改革の狙いを再確認

生産性向上や業務効率化は、単に時間を増やすことではなく、効率的な労働と社員の生活満足度向上にあります。

■ 個別ニーズに応じた柔軟な対応

同じ「働きたい」という言葉でも、その背景は多様です。個々の従業員とのコミュニケーションを丁寧に行い、多様な働き方の実現に向けた柔軟な制度設計 が不可欠です。


まとめ

全労連の調査では、労働者自身が「働きたい」「労働時間を増やしたい」と考えている割合はごく少数であり、その理由も生活費や収入不足に起因している可能性が示されました。

これを経営の現場に置き換えると、

◆長時間労働を抑制しつつ、生産性を高める労務管理
◆ 実態に即した 働き方制度の整備
◆ 働く意欲の根本的な部分に踏み込んだ 待遇設計

が、これからの中小企業経営には一層求められることになります。
単なる「働ける時間の確保」ではなく、社員の生活全体を支える労務戦略 を見直すきっかけと捉えることが大切かと考えます。

詳細はこちら

<【結果報告書】働く時間に関して本音を語る緊急アンケート(全労連)>
https://www.zenroren.gr.jp/campaign/5677/

ドリームパーソル社労士事務所
代表 野田 千秋

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