厚生年金・健康保険の「被扶養者」の認定は、従業員の雇用・年金手続きに直結する重要なポイントです。「130万円の壁」「扶養から外れる条件」といったキーワードで検索されることも多いこの話題、2026年の制度変更により実務的な判断基準が変わってきています。社会保険労務士(社労士)として中小企業の経営者や人事担当者が迷わないよう、要点をわかりやすく整理します。


1. 被扶養者の認定とは?まずは基本をおさらい

被扶養者とは、従業員の配偶者や親族などで、健康保険・厚生年金の扶養に入れる人のこと。適用されれば、社会保険料の負担がなくなるため、従業員側・企業側どちらにもメリットがあります。

要件は主に以下

  • 年間収入が一定額未満であること
  • 被保険者の年間収入の半分未満であること(同一世帯の場合)
  • 被保険者からの仕送り額未満であること(別居の場合)
    ※配偶者は対象外/年齢や障害の有無で収入基準が変わります。

🆕 2. 最新のポイント①:年間収入の見込みではなく契約内容で判断へ

2026年4月以降、被扶養者認定における「年間収入」の考え方が大きく変わります

これまでの考え方:
▶ 今後1年間の収入見込みを総合的に判断

新しい考え方(令和8年4月〜):
▶ 労働契約に記載された年収額(基本給・諸手当・賞与等を含む)を基準として判断
※これにより、休職や一時的な減収でも、契約上の年収が基準額以下なら被扶養者となる可能性が高くなります。

➡労働条件通知書・雇用契約書の記載内容が、被扶養者認定の実務でより重要になります。給与設計や契約書の記載内容を見直す必要があるケースも出てきます。


🆕 3. 最新のポイント②:19〜22歳の被扶養者の「年収要件」が変わる

2025年10月以降の届出分から、
19歳以上23歳未満(配偶者を除く)の被扶養者の年間収入要件が
▶ 従来の「130万円未満」から
▶ 「150万円未満」に変更されています。

これは、厳しい人手不足や税制改正の動きを受けたもので、学生アルバイトなどの収入条件が緩和された形です。

企業側が配慮すべきポイントは、

  • 19〜22歳の扶養該当者の収入見込みを確実に把握する

ことです。条件を知らずに扶養認定を誤ると、適正な社会保険手続きが出来なくなる可能性があります。


4. 実務でのチェックリスト(簡易版)

✔ 労働契約書の「基本給・手当・賞与」欄を確認しておく
✔ 契約上の年収額で扶養判定する新ルールを社内人事フローに組み込む
✔ 19〜22歳の扶養対象者は「150万円未満」が基準であることを周知
✔ 扶養判定に影響する収入を見落とさない(副業・年金収入等も合算対象)


📝 まとめ — 経営者/人事労務担当者が今すぐやるべき対応

今回の改正のポイントは、

  • 収入判定基準が“実務的な契約内容”に変わること
  • 19〜22歳の被扶養者の年間収入要件が変更されること

です。

✔ 社内の規定・給与体系を見直し
✔ 従業員への説明責任を果たす
✔ 社労士と対応ルールを再確認する

これらが経営リスクの低減と 人材確保につながる対応策です。

詳細はこちら

<「日本年金機構からのお知らせ」令和8年2月号(全国版)>
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/oshirase/20140627.files/zenkoku_202602.pdf

〔確認〕「日本年金機構からのお知らせ」が掲載されているページはこちらです。
バックナンバーもご覧になれます。
<「日本年金機構からのお知らせ」掲載ページ>
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/info/oshirase/20140627.html

ドリームパーソル社労士事務所
代表 野田 千秋

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