厚生労働省が公表した「令和7年(2025年)人口動態統計月報年計(概数)」によると、日本人の出生数は67万1,236人、合計特殊出生率は1.14となり、いずれも過去最低を更新しました。

出生数・合計特殊出生率ともに10年連続で低下し、日本の少子化は依然として深刻な状況が続いています。一方で、婚姻件数は前年より増加し、30~34歳の母親による出生数や、一部の都道府県では出生率が上昇するなど、明るい兆しも見られました。しかし、自然減は91万8,253人と19年連続のマイナスとなり、人口減少の流れは変わっていません。

社労士・採用定着コンサルタントとして、この統計を見て最初に感じるのは、

「人手不足は景気の問題ではなく、人口構造の問題になった」

ということです。


「採用できない」のは会社のせいではない。しかし…

「求人を出しても応募が来ない」
「採用してもすぐ辞めてしまう」
「若手社員がなかなか定着しない」

こうした悩みを抱える経営者は少なくありません。

もちろん、求人票や採用方法を見直すことも重要です。

しかし、今回の統計が示しているのは、そもそも採用対象となる若年人口そのものが減り続けているという現実です。

つまり、これからは「採用活動の工夫」だけでは人材不足を解決できない時代に入っています。


人口減少時代に求められる経営戦略とは?

これまでの企業経営は、

「人が辞めたら採用する」

という考え方でも成り立ちました。

しかし今後は、

「今いる社員に長く活躍してもらう」ことが最も重要な採用戦略になります。

採用定着コンサルタントとして、多くの企業を支援してきた経験から言えることは、

人が辞めない会社ほど、人が集まる会社になる

ということです。


採用競争に勝つ企業が取り組んでいる5つのこと

① 「採用」より「定着」に投資している

採用には、多くのコストがかかります。

広告費、紹介料、教育コスト…。

一方で、社員が定着すれば、そのコストは大幅に削減できます。

だからこそ、採用力を高める前に、離職率を下げる仕組みづくりが重要です。


② 人事評価制度を整備している

若手社員が退職する理由として多いのが、

  • 評価基準が分からない
  • 頑張っても認められない
  • 将来が見えない

という不安です。

評価制度を明確にすることは、社員の安心感と成長意欲を高め、定着率向上につながります。


③ 管理職のマネジメント力を高めている

退職理由の多くは「仕事内容」ではなく、

上司との関係です。

定期的な1on1面談やフィードバック、適切なコミュニケーションが、職場への信頼を育てます。


④ 多様な人材が活躍できる職場をつくっている

人口減少時代には、

  • 高齢者
  • 女性
  • 外国人材
  • 子育て世代
  • 障害のある方

など、多様な人材が活躍できる環境づくりが不可欠です。

「若手採用だけ」に依存する企業は、今後ますます採用が難しくなるでしょう。


⑤ 経営理念と職場文化を大切にしている

給与や福利厚生だけでは、人は長く働き続けません。

社員が「この会社で働き続けたい」と思える理由は、

  • 経営理念への共感
  • 人間関係
  • 成長できる環境
  • 働きがい

にあります。

採用市場では、こうした「見えない価値」が企業選びの大きな決め手になっています。


社労士・採用定着コンサルタントが考える「これからの採用」

今回の人口動態統計は、単なる統計データではありません。

中小企業にとっては、

「これまでと同じ採用活動では人材を確保できない」という警鐘です。

だからこそ、

  • 採用力を高める
  • 離職率を下げる
  • 人材を育成する
  • 多様な人材が活躍できる職場をつくる

これらを一体的に進めることが、これからの人事戦略には欠かせません。


まとめ|「採用できる会社」より「辞めない会社」が生き残る

出生数67万人、出生率1.14という数字は、日本の人口減少が今後も続くことを示しています。

この現実は変えられません。

しかし、自社の人材戦略は変えることができます。

これからの時代に選ばれる企業は、

  • 人が辞めない会社
  • 成長できる会社
  • 多様な人材が活躍できる会社
  • 働きがいのある会社

です。

社労士・採用定着コンサルタントとして私たちは、

  • 採用力の向上
  • 離職防止対策
  • 人事評価制度の構築
  • 就業規則・労務管理の整備
  • 外国人・高齢者・女性活躍支援

まで一貫してサポートしています。

人口減少は避けられません。しかし、「人が集まり、辞めない会社」をつくることはできます。

今こそ、「採用」だけでなく「定着」を軸とした人材戦略へ転換し、持続的に成長できる企業づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

参考資料

<令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況>
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai25/index.html

ドリームパーソル社労士事務所
代表 野田 千秋

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