「うちは今まで何も言われていないから大丈夫」
そう考えている運送業の経営者は、少し注意が必要です。
厚生労働省が公表した令和7年の監督指導結果によると、トラック・バス・タクシーなどの自動車運転者を使用する4,123事業場に監督指導を実施。
そのうち、3,346事業場(81.2%)で労働基準関係法令違反が確認されました。
さらに、2,188事業場(53.1%)で「改善基準告示」違反も確認されています。
特に多かった違反は「労働時間」
労働基準関係法令の主な違反は、
- 労働時間:39.3%
- 割増賃金の支払:19.7%
- 労働時間の状況の把握:6.3%
となっています。
また、改善基準告示では、
- 最大拘束時間:40.2%
- 休息期間:28.3%
- 総拘束時間:27.4%
が主な違反事項でした。
つまり、運送業においては単に「残業時間を計算している」だけでは十分ではありません。
運行実態と労働時間を正しく把握し、改善基準告示まで含めて管理することが重要です。
「ドライバー不足」だからこそ、労務管理が重要
運送業では、
「ドライバーが足りない」
「仕事を断れない」
「荷待ち時間が長い」
「納期が厳しい」
といった現場の事情から、労働時間が長くなりやすい傾向があります。
しかし、法令を守ることと事業を継続することは、決して相反するものではありません。
むしろ今後は、
「限られた人員で、適正な労働時間で仕事を回せる会社」
をつくることが、採用・定着・生産性の面でも重要になります。
運送業の経営者が今チェックしたい5項目
まずは、次の5項目を確認してみてください。
☑ ドライバーの労働時間を正確に把握できているか
☑ 残業時間と割増賃金の計算は適正か
☑ 拘束時間・休息期間を管理できているか
☑ 荷待ち時間を含めた実際の労働実態を把握しているか
☑ 改善基準告示に対応した運行・勤務体制になっているか
1つでも「よく分からない」という項目があれば、労務管理を一度見直すことをおすすめします。
労務管理は「問題が起きてから」では遅い
今回の公表結果では、重大・悪質な労働基準関係法令違反として67件が送検されています。
もちろん、すべての事業場が同じリスクを抱えているわけではありません。
しかし、
「監督署から指摘されてから直す」のではなく、「指摘される前に自社の問題を見つけて改善する」
ことが、経営者に求められる労務管理ではないでしょうか。
特に運送業では、労働時間・賃金・改善基準告示・運行実態を別々に考えるのではなく、「会社の仕組み」として一体的に見直すことが重要です。
「うちの会社は大丈夫だろうか?」
そう感じた経営者の方は、まず現在の労働時間・給与計算・勤務シフト・運行実態を確認してみてください。
問題がないことを確認することも、労務管理の重要な仕事です。
参考資料
<労働基準監督署等が自動車運転者を使用する事業場に対して行った令和7年の監督指導、送検等の状況を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75192.html
関連キーワード
運送業 労務管理/トラック運転手 労働時間/改善基準告示/自動車運転者 監督指導/運送業 残業代/運送業 労働時間管理/36協定/ドライバー 長時間労働/運送会社 労務監査
ご相談・お見積りは無料です
人事労務支援からコンサルティングのご相談まで、
どうぞお気軽にご連絡ください。




