~知らないと損する賃上げ原資の確保策~

医療機関の経営者・管理者の皆さまへ。

「賃上げしたいが原資がない」
「人材確保のために給与を上げたいが経営が厳しい」

この課題に対し、国が用意している制度が「ベースアップ評価料」です。

そして令和8年度改定では、この制度が別物レベル”に強化されています。


そもそもベースアップ評価料とは?

ベースアップ評価料は、
職員の賃上げを実施した医療機関に対して診療報酬で原資を補填する制度です。

  • 令和6年度に新設
  • 届出制(やらなくても違反ではない)
  • ただし「やる・やらない」で収益に大きな差

➡つまり
“やらない=機会損失”の制度です


【結論】令和8年度の重要変更点(経営インパクト順)

① 点数が大幅アップ(収益インパクト最大)

令和8年6月以降、点数が大きく引き上げられます。

  • 初診:6点 → 17点(継続賃上げで23点)
  • 再診:2点 → 4点(継続で6点)

➡約2.5〜3倍水準へ引き上げ

=外来数が多いクリニックほど“毎月数万円〜数十万円”増収


② 「継続賃上げ」でさらに優遇(評価の二極化)

令和8・9年度は段階評価になります。

  • 継続的に賃上げしている医療機関 → 高評価
  • 新規または未実施 → 低評価

➡つまり
“やり続ける医院が勝つ仕組み”に変更


③ 対象職種が大幅拡大(実務の難易度UP)

これまでの看護職中心から拡大:

  • 事務職
  • 40歳未満の医師・歯科医師・薬剤師
    なども対象に

➡ポイント
「誰にいくら上げるか」の設計が超重要に


④ 使い道の柔軟化(現場運用しやすく)

新たに認められた使途:

  • 夜勤手当の増額にも使用可能

➡人材確保に直結
夜勤人材不足対策として活用可能


⑤ 「継続しないと不利」な制度設計へ

改定の方向性は明確です。

  • 単発の賃上げ → 評価されない
  • 継続的賃上げ → 評価UP

➡制度の本質
“恒常的な給与引上げ”を求める仕組みへ転換


⑥ 届出・報告の重要性が増大

令和8年度は以下が必須:

  • 賃金改善計画書
  • 実績報告(毎年8月)

さらに

  • 令和8年6月算定開始 → 提出期限:5/7〜6/1必着

➡結論
「制度理解」より「実務対応力」で差がつく


社労士視点:この制度で“よくある失敗”

❌ ケース①:とりあえず全員一律で賃上げ

→ 原資不足・制度不適合のリスク

❌ ケース②:一時的に賃上げして終了

→ 翌年度評価ダウン

❌ ケース③:記録・エビデンス不足

→ 返還リスク・指導対象


社労士としての実務アドバイス(重要)

✔ ① 賃金設計とセットで考える

  • 等級制度
  • 手当設計
  • 賃上げ配分ルール

➡“場当たり的賃上げ”は危険


✔ ② 「継続前提」でシミュレーション

  • 1年ではなく3年視点
  • 将来の人件費カーブ確認

✔ ③ 届出スケジュール管理

  • 初回届出
  • 中間報告
  • 実績報告

➡ここを外すと全て無効になる可能性


まとめ|令和8年度は「やるかどうか」ではなく「どうやるか」

今回の改定は一言で言うと

「賃上げしない医療機関は淘汰される設計」です。

そして重要なのは

  • 点数アップ → 収益機会
  • 継続要件 → 戦略性必須
  • 対象拡大 → 設計難易度UP

最後に(経営者への提言)

ベースアップ評価料は

✔ 単なる加算ではなく
“人件費戦略そのもの”です

詳細はこちら

<令和8年度診療報酬改定におけるベースアップ評価料等について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html

ドリームパーソル社労士事務所
代表 野田 千秋

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